新規事業企画志向の就活生こそ 逆に「営業職」からキャリアをスタートさせるべき理由

新規事業企画志向の就活生こそ   逆に「営業職」からキャリアをスタートさせるべき理由

「空調が整ったモダンなオフィスで、颯爽とプレゼンをする企画職」
そんな未来を描く就活生は少なくないでしょう。しかし新規事業立ち上げや企画職に進みたいと考えているならば、逆にまずは「営業」からキャリアをスタートさせたほうが、結果として確実に成長できると、キャムコムグループの「株式会社コンシェルテック」で代表取締役を務める小杉哲央さんはいいます。なぜそういい切れるのか? 率直なところを尋ねてみました。

 

キャムコム 小杉

泥臭い営業職はイヤ! コーヒーを傍らに仕事をしたい?

――まずは小杉さんのこれまでの職歴から教えてください。

小杉:はい。私は2010年、キャムコムグループの前身である株式会社綜合キャリアオプションに新卒入社し、当時は渋谷にあった現在でいう事務派遣事業部の新規開拓チームに配属。そこから3年間ほど、営業担当者としてキャリアを積みました。その後は求職者へ仕事を紹介するコールセンターの部署に異動し、その経験を生かして現在は「Jobuddy」という求人メディアとエージェントを掛け合わせた新しい事業のグループ子会社「株式会社コンシェルテック」の代表取締役を務めております。

――現在は代表取締役として事業を牽引している小杉さんですが、若手時代はいわゆる新規開拓の営業マンだったのですね。……いきなりですが、営業職って抵抗ありませんでしたか?

小杉:そうですか? 確かに、多くの学生さんは営業職と聞くと抵抗を感じそうですよね。

――いや、人に頭を下げながらモノやサービスを売り込む仕事って、個人的には正直ちょっと抵抗がありますし、その泥臭いイメージから就活生にも敬遠されがちだとか……。

小杉:確かにそうですよね。靴の底を減らしながら全国各地で営業活動を行うより、都心のおしゃれなビルに入館し、おしゃれなコーヒーを片手に商品開発や事業企画系の仕事をするほうが、確かにカッコよく感じるかもしれませんよね。

――はい。自分も、どちらかといえば社員証をゲートにピッとやって入館したいタイプなので……。

小杉:逆にお尋ねしますが、社員証をピッとやって、その後は何をしたいのですか?

――それはやはり先ほど小杉さんもおっしゃっていたとおり、商品開発や事業企画などの、何らかのクリエイティブな仕事です。モノを売り込むのではなく創造することで、社内外に何かしらのインパクトを、と考えます。

小杉:なるほど。であればなおさら、まずは営業職を経験したほうがいいですし、むしろ「経験しなければいけない」とすら言えるかもしれません。

 

営業とは「頭を下げてモノを売り込む仕事」ではない

 

――「なおさら、まずは営業職から始めるべき」というのは、どういうことでしょうか?

小杉:商品開発や事業企画でも何でもいいのですが、それらはすべて法人や個人などの「お客様」のために行うものです。もちろん最終的には「会社の利益のため」ですが、まずはお客様に自社のサービスやプロダクトなどを気に入っていただけないことには、会社の利益も何もありません。そのため、とにかくお客様が何を課題と感じていて、それをどう解決したいと考えているのかを知ることが、新しい事業やサービスを作る際には決定的に重要となります。

――それは確かにそのとおりだと、私も思います。

小杉:であるならば、入社早々から、営業研修などの期間以外は社員証をピッとやって入館したオフィスにこもったままで、どうやってお客様のリアルな課題を知ることができるのでしょうか?

まずは営業担当者としてさまざまなお客様、本当に多種多様なお客様と密に接し、それぞれのお困りごとや課題、あるいはさまざまな事案に対するご不満などをリアルに吸収し、それらに対する打ち手のご提案をしていれば、そのうち誰もが「自分だったらこれこれこういう新しい仕組みを作って、この人たちの課題を解決できるのに!」と思い始めるのではないでしょうか?

 

どうせやるなら若いうちに経験しておいたほうがおトク?

 

――……たぶん自分も、真の営業活動=お客様の課題抽出と解決提案を繰り返しているうちに、そう思い始めるかと思います!

小杉:それが、まずは営業職から社会人としてのキャリアを始めることの価値なのです。もちろんごく一部の超天才みたいな人は営業職を経験せずとも、机上の計算だけで素晴らしいモノが作れるのかもしれません。しかし私を含む多くの人には、そんなことはむずかしいかと。だからこそなるべく若いうちに、そして「将来は自分で事業やサービスを立ち上げてみたい」と考えている有能で意欲的な人こそ、まずは営業職としてフィールドに出るべきなんです。

――なるべく若いうちに、ですか?

小杉:はい、私はそう思います。なぜならば営業職は、ビジネスパーソンとして生きていくなら絶対に経験しておいたほうがいい職種ですし、若いうちであれば、体力も気力も充実しています。そしてお客様から可愛がっていただける可能性も、中年よりは若手のほうが高いでしょう。もしも私が今、「未経験ド新人営業マン」として現場に出るとしたら、それって正直かなりキツいですよ(笑)。

だからこそ、このインタビューをお読みいただいている若手には声を大にして申し上げたいのです。「悪いことはいわないから、とにかくできるだけ若いうちのキャリアのスタートラインで”営業”に本気で前向きに取り組んでにみては」と。それが間違いなく本人にとって“おトク”ですよ。

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