いくつかの領域で営業職を経験した後、長きにわたって新卒採用の部署で仕事をし、現在はデザインアーツ事業推進部で社内外のさまざまなWebサイトやツールの制作ディレクションや、フリーランス事業の開発などを担当しています。2008年に新卒で入社して16年目ですので……気がついてみたらけっこうなベテラン選手ですね(笑)。
就職活動を始めた段階では「影響力のある仕事に就きたい」と漠然と思っていて、ちょうどiPhoneが爆発的に伸び始めた時期だったということもあって、なんとなく通信系の業界から探し始めました。
しかし先輩から「通信系もいいけど“人材系”も、モノがないからこそ逆に無限の可能性を秘めている世界だぞ」的なアドバイスをいただいたんですね。そこで「なるほどね……」と思いながら、モノを扱わない業界に志望をシフトさせていった――という感じでした。
そして前述のとおり、キャムコム入社後は営業職で頑張った後に新卒採用のチームに異動となり、「選考設計」を担当させてもらうことになりました。応募いただいた学生さんにどんな内容の面談を行ったり、どういった感じのワークをしてもらうか? などを考え、設計する仕事ですね。
当時まだ入社3年目ぐらいだった自分は、「とにかく自分が入れたいプログラム」を詰め込みました。応募者の資質をみきわめるなら、コレが絶対に有効でしょ? 完璧でしょ? ぐらいの自信作だったのですが、先輩からはあっけなくダメ出しをされてボツになりました。そして何度やり直しても「ぜんぜんダメ」ということで、なかなかGOが出なかったんです。
そのときに先輩から言われたのはこうでした。
「あのね、応募いただいた学生さんを“みきわめる”だけじゃダメなんだよ。私たちの仕事はそれで終わりじゃないの。応募してくれた人に『ぜひ次のステージに進みたい!』と思ってもらえるものじゃないと、意味ないんだよ」
今にして思えば当たり前のことなんですが、当時の私は、そういった物事の基本がまだ見えていなかったんですね。
しかし諸先輩からそのあたりを徹底的に叩き込まれ(笑)、おかげさまでその年の新卒採用は、私が設計した内容によってかなりの結果を出すことに成功しました。
それをきっかけに、いわゆる若手だった私は爆発的に成長できたように思いますが、物事や仕事には“終わり”というものが基本的にはありません。その後さらに経験を重ねてからも、やっぱり別の壁にぶち当たり、それをなんとかして乗り越えて――ということの繰り返しですね。
入社10年目ぐらいに、新たな新卒採用サービスを開発するチームに異動となり、まぁそれは今ではおかげさまで人気のサービスとなっている「インタツアー」なんですが、最初は正直ぜんぜん売れなかったですね。
10年選手ですから、さすがにソツがないだけでなく「いいモノである」と自負できるサービスを設計することはできました。でも「じゃあ、それをどうやってマネタイズするのか?」という点については、まだまだ甘かったんです。
細かな設計は企業秘密として言えない部分もあるのですが(笑)、基本的な話としては「お客様が“本当に求めていること”は何なのか?」という本質部分を徹底的に深掘りしながら思考し、試行錯誤を重ねたことで、「インタツアー」はきちんと数字が稼げるサービスに成長しました。その成長をある意味主導できたことが、「中堅世代となった私自身の成長」のきっかけだったのかもしれませんね。
現在もデザインアーツ事業推進部で、さまざまな新しい仕組みやクリエイティブを制作あるいはマネージメントさせてもらっていますが、本当に人生にも仕事にも“終わり”や“完成形”ってないですよね。いや生物としての私の寿命はいつか必ず終わるわけですが、それまではずっと「止まっていない人」であり続けたいと思っています。
だって、そのほうが生きていて断然面白いですし、さまざまな領域に挑戦し続けられる環境が、キャムコムという会社にはありますからね――。